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研究内容

私の研究歴

30年程前、名古屋の大学の精神科に入局して2年目に同時に下記の3つの研究テーマに出会い、 それが、その後の研究人生を決めていたことに、今になって気付き驚きました。 1つは、うつ病の生化学的なメカニズムの解明、2つ目はアスペルガー症候群の研究、 3つ目は生体時計の研究です。当時医局には、精神病理学、精神分析学、児童精神医学、 神経病理学、精神生理学の各分野の一流の研究者が集まっており活気があり、私も
希望に満ちておりました。

1.うつ病の生化学的研究

当時、精神医学において、うつ病が生化学的なメカニズムの解明に最も近い領域と思われていました。 薬剤(ステロイド、抗癌剤等)や身体疾患(自己免疫疾患、内分泌疾患等)により抑うつ症状が出現することが知られていたからです。 1992年に本邦で、C型慢性肝炎に対するインターフェロン治療が開始されましたが、すぐにインターフェロンによる抑うつ症状発症の 報告が多くなり、社会問題までに発展しました。そのころに、内科の友達から勧められ、マウスを用いたインターフェロンの脳への 影響の研究を始めました。インターフェロンの研究は世界中の多くの研究室おこなわれておりましたが、解明までの壁が厚いため ほとんどの研究室が脱落していきました。 その理由は、生化学的にブラック・ボックスであった血液・脳関門が関係しているということが解ったからでした。 実は私達も諦め、次の腎不全による抑うつ症状の研究に移ったのですが、意外なことにその腎不全研究の中にインターフェロン研究解明の 鍵があったのでした。その研究はドイツのミュンヘンの内科系のある国際学会に講演の招待を受けるという栄誉にあずかりました。

2.発達障害・アスペルガーについて(ここは、私の個人的な見解です)

当時、精神科医にもほとんど知られていなかった、アスペルガー症候群を見いだせたのも入局して2年目のことでした。

生化学の研究が一段落した後、解離性障害の臨床研究のグループに入りました。そのグループに以前、フッサール研究で有名な 哲学科教授が参加していたことから、フッサールの間主観の哲学に出会うことができ、そこにアスペルガーのテーマが展開されていた 事に気付き驚きました。そこで、アスペルガーというものを、哲学、精神病理学、精神分析学などの観点から総合的に捉え直すべきだと考え、 研究会の皆と一緒にアスペルガー研究会を2009年に立ちあげ、2年に一回のペースで専門家だけの討論を主としたクローズの研究会を続けました。

この研究会の議論によって、私自身も幾つかの大きな成果を得ることができました。最も大きな発見は、アスペルガー・タイプが、ユングの タイプ論の中に記載されていたことです(この点については、ユング心理学の権威である京都大学教授に、相談させていただいたところ(その考えは) 当たっていると思います、すぐに論文にしなさいと激励されました。)

ユングは、精神分析医自身が自分のことを知ることの重要性を訴え続け、その一つの手助けとなるものとして、「タイプ論」を書いたとのことです。 人間を先ず、4つのタイプに分けました(下図)。この発想は、彼の「転移の心理学」にある“《四者性》は最も普遍的な元型の一つであると同時に、 意識の[四つの]方向づけの機能を表すための最も有用な構図の一つでもある・・・・。 四つの頂点によって作られる十字架は極めて普遍的なシンボルである”という考えにも関連しているのかもしれません。これら4つのタイプは、さらに、 内向型と外向型に分類されるために、結果として8つのタイプとなります。

ユングのタイプ論

この分類における“感覚型”が、アスペルガー・タイプに当たるものであると気付きました。

自分の臨床的な経験から、アスペルガーを3、4種類に分けて分類していたのですが、それより、内向型と外向型という分類(+補償) の方がピッタリとしました。子供の発達研究で著名なピアジェがユングの直感力の凄さを論文に書いてありましたが、人間の タイプの中に、感覚型を見出していることが私には驚きでした。もう一つ、アスペルガーの理解に重要な論文が見出されました。 イギリスのタビストック・クリニックで研修し帰国した研究会参加者から、自閉症の研究者として新クライン派のフランセス・タス ティンがいることを知り、その代表的ともいえる『Autistic Barriers in Neurotic Patients』と『Autistic States in Children』を読んで 驚きました。

以前から、メラニー・クラインの重要な論文である「自我の発達における象徴形成の重要性」の中に小児精神病として引用された 症例(ディック(Dickした))は、アスペルガー・発達障害圏ではないかと自分では考えていたのですが、タスティンが同じ様な 見解を書いてあり嬉しかったのでが、驚いた点は、自閉症の本質の一つを“Auto-sensuousness” ととらえていた事でした。 この考え方は本質的にユングの“感覚型”と連動させることで、アスペルガーの理解が更に発展するものと確信しました (多少、診断名とか幾つかの点で疑問に感じることはあるのですが・・・)。ヘーゲルは「エンチュクロペディ」の中で感覚に ついて考察し“精神的意識や理性のなかに現れるものはすべて、その源と根を感覚の中にもっている”と述べております。 ユングとタスティン、そしてフッサールの3人の研究が、アスペルガーの理解に重要なものと思います。ユングのタイプ論でわかる ようにアスペルガーは基本的には障害者ではないことが分かります(性格のひとつですので)。但し、彼らは“傷つき易い”、 そして“傷が修復しにくい”という特徴があります。ストレス(心因)に対しての彼らの特徴は“解離”と“強迫(拘り)”にある と私は考えております、このことに関連してとても興味深い症例が、サリバンが“分裂病質強迫症患者”として論文 (「精神医学は対人関係論である」)に記載されてありますが、その症例はアスペルガー症候群ではないかと思います。更に面白 かったのは、その患者の夢に対する、サリバンの解釈が実にアスペルガー的であったからでした。サリバンもラカンと同じく アスペルガー・タイプなのではないかと思ってしまいました。 サリバンの解離理論でもう一つ、アスペルガー症候群と統合失調症 の鑑別として興味深い考え方があります。彼は、統合失調症は強力な不安の影響下で自己体系がその統一を失い、”解離”に失敗 するようになった状態と考えています。アスペルガー症候群が統合失調症に落ちていかないのは、解離という防衛システムが強固な ためなのでしょうか?30年前から現在も発達障害について教えて頂いている杉山登志郎先生が両者の鑑別について、解離症状の有無 を挙げておりますが、このサリバンの解離理論と関連しているのでしょうか。

解離と言えば、フロイトのヒステリー研究ですが、ヒステリー研究の最初の症例は、アスペルガーの臭いがします。フロイトは世界 最高の文学者としてドストエフスキーの名前をあげ、彼の分析から、彼のてんかん発作は、てんかんではなくヒステリー症状である と述べております。随分前になりますが、「カラマーゾフの兄弟」の映画を見ていて、腹違いの末弟である、ソルメジャコフは アスペルガー(感覚型)ではないか、そしてこの4人兄弟が、ユングの4つのタイプに当てはまるような気がしたのです(ミーチャ :感情型、イワン:思考型、アリョーシャ:直感型、ソルメジャコフ:感覚型)。この4兄弟はドストエフスキーの内界に見えた 4つの解離像ではないかと直感的に連想しました(シベリア流刑のトラウマのよる解離体験?)。もし、その想像が当たっていれば、 ドストエフスキーは、アスペルガー・タイプになるのかも知れません。フロイトのいうヒステリーは、やはりアスペルガーなのでは ないでしょうか。きちんと、ヒステリー研究の症例を読まなければなりませんが。

解離について更に興味深いことがありました。10年ほど前に解離性障害の研究で著名な、柴山雅俊先生が、名古屋の「解離性研究会」 で講演されましたが、その内容が、半年前の私のアスペルガー症候群の発表内容と重なる点が多かったのです。

当然、柴山先生に質問を投げかけましたが、隣に座っていた研究会の同僚が“解離性障害の90%はアスペルガーだよ”と呟きました。 これを契機に、総合病院の精神科外来では対応が困難と思っていた解離性障害を頑張って診るようにしました。そういう視点で見る と、私が診た解離性障害は全て、アスペルガー・タイプでした。異なった専門領域の交流の重要さを実感しました。

フロイトは、「多くのヒステリー症状にとって、心的外傷と呼ばざるをえない誘引のあることが明らかになり、普通のヒステリーと 外傷性ヒステリーとの間には病源的類似性のあることが証明されるであろう」と述べ(「ヒステリー現象の心的機構について」、 更に、異常な意識状態の出現(前意識(:「自我とエス」))を招く傾向(解離の傾向)こそがヒステリーの根本原因であると述べ ていますが、ヒステリーをアスペルガー・タイプと同じものと考えると、すべてがスッキリする気がします。過ぎたるは及ばざるが 如しという恐い言葉もありますが・・・・。解離の傾向は、まさしくアスペルガー・タイプの防衛機制の特徴だと思います。それは、 感覚型は感覚自体に目を奪われてしまうため、感覚を統合する機能としての意識(自我意識を含む)の発達が脆弱傾向を持つことも 一因なのでしょう。【唯識哲学では、意識を、感覚を統合する意識と末那識という自我意識類似のものにわける】 タスティンは、発達障害の子どもの特徴として、感覚的な悦びに惹かれるために、内的世界の組織化(inner organization)が発達 しない、と述べています(「Autistic States in Children」)。例えば、他人が話しかけてきても、それを言葉としてではなく、 音楽と捉えるために意味としての言葉の発達が遅れると述べております(「Autistic Barriers in Neurotic Patients」)。 ユングは、感覚型は皮膚の一つ奥に行くことができない、と同じ内容の事を述べております。内的世界の組織化の発達の一つに エディプス葛藤があります:父親を殺して新しい社会を創造しよとする自我理想の確立<理念的な象徴としての社会的信念。超自我>、 そして母親を殺すことにより、異性愛(新しい母)を確立<情緒的象徴化としての愛(マリア像)>。 アスペルガー・タイプはこのエディプス葛藤を乗り越えられなくなる傾向を持ちます。それ故、中性的な印象や、同性愛的な傾向を もつ人もおります。

もう一つの、内的世界の組織化における問題として、二項関係から三項関係の移行に躓きが認められます。三項関係は、生後 8,9ヶ月に認められますが、アスペルガー・タイプでは、成人してもその躓きが認められることが多いようです。その為、3人以上の なかでの会話が難しくなります。

ここから先にいくには、フッサールの現象学と唯識哲学が必要になります。特に、フッサールの「時間意識の現象学」(表面的な 骨子としては、唯識論の時間論と同じですが、唯識論の時間論には、共時性が隠れています。ベルグソンの時間論も骨子は同じもの ではないでしょうか)が必要になります。間主観性の基礎になります。何故基礎になるのかは、とても面白い話ですが、これは、 私の生体時計の研究と連動しているので、これ以上はここで話すことができません。共時性はユングと物理学者のパウリの共著論文 で有名になりましたが、元々は仏教に由来したものでしょう。ユングの弟子たちが、『シンクロニシティ』という書籍を出し、 妙楽大師の十不二門を用いて展開しようとしましたが、彼らには無理だったようです。多分、どこかの仏教学者に教えてもらった のでしょうが。共時性については、物理学、哲学を含めて、最先端の研究者が“宇宙最大の神秘”として必死に求めている現代最大 の研究テーマだと思います。

統合失調症に関しては、それを生じる可能性のあるタイプは直感型と思っています。アスペルガー症候群が統合失調症の幻覚妄想 と同じ症状を出現するのは、ともに非合理型という同軸上に存在するからでしょう。統合失調症の患者さんと、話をしている途中で、 情緒的な変化を全く示さず淡々と自己中心的な言葉を話し出します。夢の言語系と全く異なった言語系で全くわからないことがあります。 コンピューターの言語開発をしていた友人から、言語システムは5〜6層の構造になっており、その一番下層はパズルみたい世界が 広がっていると聞いたことがあります。人間の言語系も、多層構造になっており、夢の言語系よりさらに深い原始言語系が存在して いるのではないでしょうか。ある意味で言語世界の高度な退行なのかも知れません。丁度、時間生物学会で、京都大学の総長で、 ゴリラの研究者として有名な山際教授が講演後、質問時間があったので、人間の原始言語のようなものが、ゴリラかチンパンジーに 認められていないかという質問をさせていただきました。アメリカにそういう研究をしている教授が二人いるとのことで名前も教え ていただき、論文も集めました。将来、動物の言語研究から、統合失調症の言語理解が深まるかもしれません。恩師である、笠原嘉 先生は、著書「精神病」の中で、統合失調症の幻聴の特徴として“内容の一語一語ははっきりしないのに、意味は直観的に「一挙に」 理解できる”と書かれております。“意味は直観的に「一挙に」理解できる”という表現を読んで、統合失調症の患者さんの直観型 の特徴を見事に見抜いていることに驚きました。クレッペリンも「統合失調症」で、直観的に特長について記載していますが、特に 気になった点があります。彼は言語の障害にも注目し、“内言語、観念を言語的表出運動に転換することの障害も甚だ著しいものが ある”、そして“そして、それらの変化は夢の時にみられた変化と驚くほど似ている”と述べている点です。これは、統合失調症の 特徴というより、アスペルガー症候群・発達障害の象徴化障害のテーマではないかと思います。フロイトの精神分析可能領域の夢の 水準が維持できているなら、人格水準での荒廃はないのではないかと私は考えます。タスティンは、”自閉症の子供もほとんど確実 に内言を持っているという事実に気づくことも重要です”と述べ、それ故に自閉症の治療に象徴化が重要である事を述べている (潜伏する前象徴的な活動)。ただし、内言という言葉は存在論的な固さがあり、唯識論で用いる“内的対象(内的表象)”の方が、 心の中の世界を表現するのに対象関係論的な広がりが出て、優れているように私には思われます。

統合失調症とアスペルガー症候群・発達障害の鑑別に関しては、タスティンが述べているように、発達の屈折点が重要です。 アスペルガー症候群・発達障害は子供の頃からの発達の遅れであるが、統合失調症については、その発症までは発達に問題がない、 という点が一番わかりやすいものと思われる。今までの統合失調症概念の中には、対極にあるアスペルガー症候群・発達障害が同じ 一群のものとして扱われていたので、ブロイラーの4Aなど従来、統合失調症の診断基準はアスペルガー症候群・発達障害にも当て はまるものが多いのであまり役には立たないように思います。特に、ブランケンブルクの「自明性の喪失」を統合失調症の本質で あると教えられてきた精神病理学の先生方は、なかなか両者の鑑別は難しいようです。我々の研究会の精神病理学の先生方で さえも当初は理解をしていただけませんでした。

ただ、我々のように長い間、アスペルガー症候群・発達障害の臨床をおこなってきた人間には、「自明性の喪失」の症例、 アンネ・ラウは、統合失調症というより、アスペルガー症候群・発達障害がピッタリします。自明性の喪失に苦しむ患者さんは、 自殺の可能性が高いので注意が必要ですが、アスペルガー・タイプであることを告げ、その特徴を説明するだけで、すぐに元気に なります。ですから、診断はとても重要なものです。アスペルガー・タイプであるために苦しんで抑うつになっている患者さん にも、抗うつ剤よりも、診断と説明の方が有効な時さえあります。

最後に、感情型は、当然、うつ病に関連しております。ツェルセン(von Zerssen)のいう躁うつ親和型は外向感情型、 メランコリー親和型は内向感情型に対応するものと私は考えております。この分類は、臨床的にとても役に立っております。 外向感情型には、薬と同じ程度、自己愛の対応が重要です。

【仏教における発達論】仏教哲学は、インドにおいて、無著、世親兄弟によって樹立された唯識論、龍樹を教祖とする中観派の 二大学派が開花しました。その後、中国に、仏教中興の祖といわれる天台智顗により統合されましたが、彼の代表著作である 「摩訶止観」の中に、発達論が展開されております。12個の要素と5個の要素が立体的に交差する複雑な構成となっております。 昔、大学に在職時、若い精神科医のためにフロイトの「悲哀とメランコリー」を図示しようとしましたが、時間経過が空間に繰り 込めないため諦めました。「摩訶止観」(岩波文庫)の発達論は更に複雑なので悩んでいます。ただ、興味深いことに、この中の 骨子の一つが、クラインの有名な妄想分裂態勢 paranoid-schizoid positionと類似しているのです。偶然なのでしょうか・・。 この続きを書くためには時間がかかりそうです。

30年前には、精神科医でも、アスペルガー症候群の名前はほとんど知られておらず、統合失調症や神経症、慢性うつ病などの中に 紛れ込んでいたのでしょうが、十数年前にある刑事事件で新聞紙上に“アスペルガー症候群”という名前が出てから、悪い印象を 持ったまま広がってしまいました。

アスペルガーという名前は論文を書いた教授の名前です。悪い印象を消すためには、呼称の変更が良いのではないかと思います。 センシャス・タイプ(sensuous type)はいかがでしょうか。

3.生体時計の研究

生体時計の研究は、長い間の夢でした。精神病は時間の病であると昔から言われてきました。
その意味でも生体時計の研究は精神医学にとって重要なものだと思います。

私のアイデアは従来の“生体時計”の考え方とは全く異なったもので、証明方法を見つけるまでに長い期間が必要でした。 5年前に実験系を作成し、また生化学研究室、生理学研究室のサポートを得て3年間実験を続けました。 植物を用いて研究したのですが、本筋ではないところで面白い現象に出会いました、植物にも記憶がある事がわかり驚きました。 更には、人における脳内神経伝達物質である、セロトニンやドーパミンも植物が持っていることにも驚きました。

精神医学は基礎的な研究から、哲学・文学・芸術・文化にわたる広大な範囲をもった学問体系で、この世界の頂点に立つべき学問だと思います。 しかし、病態の解明に、そして治療方法にも、まだまだ多くの壁があり、いまだカオスの中ですが、 これからも粘り強く、希望を見失うことのないように皆さんと協力しながら進んで行きたいと思います。

(誤字、脱字があるかもしれませんが、ご容赦ください。
何故解離しやすいのか等、まだ書き足りないことが沢山ありますが、後日追加いたします。)

講演会資料

講演会のスライドです。興味がある方は以下のボタンをクリックして下さい。

2019年2月11日に天白保健センター、2019年3月21日には昭和区生涯学習センターで「アスペルガー症候群(発達障害)―ユングのタイプ論からの考察」という演題で講演会をいたしました。

1時間半の公演後、2時間ほどの質問会をしました。最後まで皆さんが残って質問をしていただきました。臨床心理士、看護師、ケースワーカ、教員の方々も参加していただきました。
講演の内容は専門家でも難しいものを発表してしまい申し訳なかったのですが、私の講演は、質問会のための準備資料としての性格をもっていたので、 できるだけ正確に説明する必要があり難しくなってしまいました。
次回、瑞穂区で3回目の講演を行う予定ですが、その時には更に易しく説明ができるように心がけます。

ユングのタイプ論に述べられている『感覚型』がアスペルガー・タイプであるという発見は、大きなものだったと自負しております。 即ち、アスペルガー・タイプのほとんどは、精神障害ではなく、単にそういう人間のタイプの一つであることが明らかになりました。 さらに、これによって、統合失調症と間違われていたアスペルガー症候群の人達を鑑別できるようになりました。

また、うつ病については、von Zerssenの、単極型と双曲型の分類が臨床的に実に有用なものですが、これも各々、タイプ論の『感情型』の内向性感情型と外向性感情型私に相当し、診断・治療に有用です。

アスペルガー症候群・発達障害は、無意識というものを理解しないと決してわかりません。それも、無意識が、個人的無意識(末那識)と普遍的無意識(阿頼耶識)とい二重構造になっていることが重要です。 この点の理論展開は、ユングより世親の唯識論がはるかに勝っておりますが、この詳細は、書くと大変な分量となるため、講演会で説明させていただきます。

アスペルガー・タイプのコミュニケーションと他のタイプの人達との違いについては、「発達障害は、ことばを道具的に使っても、コミュニケーション的には使用しない」という大雑把な見方ではなく、 言語学の大家である、ローマン・ヤコブソンの六機能説を用いると丁寧な議論ができます。 三項関係の理解は、アスペルガー・タイプが社会生活をスムースに行うための重要な理論ですが、具体的な話が重要ですので、講演会で説明します。

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